極上御曹司のヘタレな盲愛
謎のプロポーズ
「私が…誰を…好き?」
「はっ?」
「私が、悠太を…好き?」
「だろ?え…好きじゃないのか⁉︎」
「いや!悠太の事は好きよ!大好き!好きだけど…」
悠太の事は子供の頃から大好きだ。
今でこそ悠太は花蓮を選んだけれど、多くの男の子が花蓮の事を特別視してチヤホヤする中で、悠太は私達2人を差別する事なく、私にもとても優しかった。
誰かさんと違って、誕生日のプレゼントもいつも私と花蓮に同じ物をくれた。
大人になり会社に入って、悠太が直属の上司になってからも、優しく、時には厳しく、カッコよく仕事もできる悠太の事が、私は変わらず大好きだった…が。
「それは男の人として、私が悠太の事を好きだって言っているの?」
「まぁ、そうだろ」
大河はなぜか憮然とした表情で言った。
私は、大河の青みがかった綺麗な目を見ながらゆっくり言った。
「私は…悠太を男の人として好きだなんて思った事、今まで一度もないよ。人としては大好きだけど」
「えっ?」
いつも強気でクールに決めている大河が、ポカンと口を半開きにして呆けている。
こんな顔、初めて見たなと思って見ていた。
「けど…お前、今泣いてただろ」
「泣いてたのは…あんな感じで家族の大事な事を知らされるって、私の存在は似鳥の中で、どれだけ軽いんだろうって悲しくなって。
あとやっぱり子供の頃から、私と花蓮を差別しないと思っていた人が、結局は花蓮を選んだんだって思って、ちょっと悲しくなったのもあったかな。
えっと、お兄ちゃんが急に、花蓮だけのお兄ちゃんになっちゃったみたいな。
悲しいって言うより寂しいって感じ。
悠太は私にとって、お兄ちゃんよりお兄ちゃんらしかったから。
私、大河の言う通り、ホント捻くれ者のイジケ虫なんだ…」
えへへ、と小さく笑って誤魔化した。
「本当に、悠太の事を好きだったんじゃないんだな」
念を押してくる大河に…。
「うん。っていうか、私、今まで誰かを男の人として好きだと思った事ないよ」
小さい頃から、周りにいる男の子達は、みんな花蓮を好きになった。
目の前の大河だってそうだ。
中等部に上がって暫く経った頃には『双子の残念な方』と呼ばれ始めて、斎藤紫織はじめ、一部の女子に嫌がらせをされるようになって、トバッチリを受けるのを恐れたのか、周りの男子は誰一人として、必要最低限しか私に話しかけてくる事もなかった。
一度、高等部の1年の頃だったかな。
高等部から編入してきて同じクラスになった男子と珍しく仲良くなった。
彼は私と花蓮が双子だとは知らず、優しくて話も面白かったのでよく一緒に帰ったりしたけれど、ある日突然、全く話しかけてこなくなり目すら合わなくなった。
私が『双子の残念な方』だって誰かに聞いたんだろうなと少し寂しく思っていたら、彼が花蓮の親友の斎藤紫織と付き合い始めた事を知った。
斎藤さん自身が、わざわざ彼と付き合い始めた事を私のところに来て教えてくれたのだ。
「彼とちょっと仲が良かったみたいだけど、彼は私の事が好きなのよ。『残念な方』のクセにいい気にならないでね。
あなたの事なんかを好きになる男子は、この世の何処にもいないわ」
という意地悪な言葉とともに。
わざわざ言われなくたって、いい気になった覚えはないんだけど。
会社に入ってからも…私は、とある事情で同期会に出る事もなく、他部署の男の人と仕事以外で話す事もなかったから、誰か男の人と特別仲良くなったり好きだと思う事もなかった。
さっき高橋君が、私と話したい人が沢山いるから同期会においでと言ってくれたけど、そんなの信じられない!
社交辞令に決まっている。
花蓮じゃない、私とわざわざ喋りたいと思う男の人なんて、いるわけない!
「はっ?」
「私が、悠太を…好き?」
「だろ?え…好きじゃないのか⁉︎」
「いや!悠太の事は好きよ!大好き!好きだけど…」
悠太の事は子供の頃から大好きだ。
今でこそ悠太は花蓮を選んだけれど、多くの男の子が花蓮の事を特別視してチヤホヤする中で、悠太は私達2人を差別する事なく、私にもとても優しかった。
誰かさんと違って、誕生日のプレゼントもいつも私と花蓮に同じ物をくれた。
大人になり会社に入って、悠太が直属の上司になってからも、優しく、時には厳しく、カッコよく仕事もできる悠太の事が、私は変わらず大好きだった…が。
「それは男の人として、私が悠太の事を好きだって言っているの?」
「まぁ、そうだろ」
大河はなぜか憮然とした表情で言った。
私は、大河の青みがかった綺麗な目を見ながらゆっくり言った。
「私は…悠太を男の人として好きだなんて思った事、今まで一度もないよ。人としては大好きだけど」
「えっ?」
いつも強気でクールに決めている大河が、ポカンと口を半開きにして呆けている。
こんな顔、初めて見たなと思って見ていた。
「けど…お前、今泣いてただろ」
「泣いてたのは…あんな感じで家族の大事な事を知らされるって、私の存在は似鳥の中で、どれだけ軽いんだろうって悲しくなって。
あとやっぱり子供の頃から、私と花蓮を差別しないと思っていた人が、結局は花蓮を選んだんだって思って、ちょっと悲しくなったのもあったかな。
えっと、お兄ちゃんが急に、花蓮だけのお兄ちゃんになっちゃったみたいな。
悲しいって言うより寂しいって感じ。
悠太は私にとって、お兄ちゃんよりお兄ちゃんらしかったから。
私、大河の言う通り、ホント捻くれ者のイジケ虫なんだ…」
えへへ、と小さく笑って誤魔化した。
「本当に、悠太の事を好きだったんじゃないんだな」
念を押してくる大河に…。
「うん。っていうか、私、今まで誰かを男の人として好きだと思った事ないよ」
小さい頃から、周りにいる男の子達は、みんな花蓮を好きになった。
目の前の大河だってそうだ。
中等部に上がって暫く経った頃には『双子の残念な方』と呼ばれ始めて、斎藤紫織はじめ、一部の女子に嫌がらせをされるようになって、トバッチリを受けるのを恐れたのか、周りの男子は誰一人として、必要最低限しか私に話しかけてくる事もなかった。
一度、高等部の1年の頃だったかな。
高等部から編入してきて同じクラスになった男子と珍しく仲良くなった。
彼は私と花蓮が双子だとは知らず、優しくて話も面白かったのでよく一緒に帰ったりしたけれど、ある日突然、全く話しかけてこなくなり目すら合わなくなった。
私が『双子の残念な方』だって誰かに聞いたんだろうなと少し寂しく思っていたら、彼が花蓮の親友の斎藤紫織と付き合い始めた事を知った。
斎藤さん自身が、わざわざ彼と付き合い始めた事を私のところに来て教えてくれたのだ。
「彼とちょっと仲が良かったみたいだけど、彼は私の事が好きなのよ。『残念な方』のクセにいい気にならないでね。
あなたの事なんかを好きになる男子は、この世の何処にもいないわ」
という意地悪な言葉とともに。
わざわざ言われなくたって、いい気になった覚えはないんだけど。
会社に入ってからも…私は、とある事情で同期会に出る事もなく、他部署の男の人と仕事以外で話す事もなかったから、誰か男の人と特別仲良くなったり好きだと思う事もなかった。
さっき高橋君が、私と話したい人が沢山いるから同期会においでと言ってくれたけど、そんなの信じられない!
社交辞令に決まっている。
花蓮じゃない、私とわざわざ喋りたいと思う男の人なんて、いるわけない!