極上御曹司のヘタレな盲愛
私が、今に至るまでの男っ気の無さを軽く語ると、大河がまた念を押してきた。
「じゃあ、本当に悠太の事は、兄みたいに思っているって事なんだな」
しつこいなぁ…。
「うんそうよ。って言っても、悠太は義兄じゃなくて義弟になるんだけどね」
ヤバい!花蓮に失恋した大河に無神経な事を言ってしまったかな。
すぐに反省していると、大河が変な事を訊いてきた。
「じゃあ、俺は?俺の事も兄みたいって思うのか?」
「う〜ん。私、大河の事を兄みたいって思った事は一回もないなぁ…」
むしろ敵…天敵だと思っているわ、って出かかって、慌てて口を閉じた。
なのに大河は少し嬉しそうに見えた気がした。
天敵だと思っている大河と、なぜかこうして話している事を不思議に思いながら、ここに来て随分時間が経っている事に気がついた。
なかなか戻らない私を、きっとみんな心配している。
出てくる時、私たぶん挙動不審だっただろうから。
でもここで大河と珍しく話していたら、だいぶ心が落ち着いていた。
「もう行こうか」
そう言おうとして大河を見て気がついた。
私、自分の事ばかりだったけど…。
水面を見つめて何か考え込んでいる大河に、私は思い切って聞いてみた。
「大河は…大丈夫なの?」
大河は花蓮の事が小さい頃からずっと大好きだった。
悠太に花蓮との婚約を聞かされ、自分も辛かっただろうに、私がショックを受けないようにって光輝と一緒に心を配ってくれた。
結果としては最悪な形で私に伝わってしまったようだが、経緯をこうしてちゃんと話してくれたし、さっきは泣いている私の涙を優しく拭ってくれた。
天敵だ、鬼だと思っていたけれど少しだけ見直した。
天敵だけど、一応大事な幼馴染だし、私にできる事があれば力になりたいと思った。
「あ?俺か?」
「大河は…大丈夫なの?」
悠太と花蓮が結婚しちゃっても…。
「俺かぁ。まぁ、ちょっとヘコんだかな。俺、今まで何をやっていたんだろうって」
大河は花蓮に気持ちをちゃんと伝えていなかったんだろうか。
それを今になって後悔しているのかな?
「後悔…しているの?」
「ああ、後悔しているな…。好きな奴がいようがいまいが、さっさと自分のものにしてしまえば良かったなって…」
そうか。
小さい頃からずっと好きだと、好きってちゃんと言う事が、かえって難しかったのかもしれないな。
私と違ってモテる花蓮には、学生時代、何人か付き合っている人がいたし。
本当に、好きだって言うタイミングの問題だったのかもしれない。
私は大河の事が、天敵だけど、少し気の毒になった。
「そっか…」
ちゃんと好きだって言えれば良かったね。
「今は…どう思っているの?」
婚約の話を聞いてから1ヶ月経って、心の整理はついたのだろうか。
「今?ああ、そうだな。めっちゃ危機感を感じてるな。ヤバい!早く俺のものにしなくちゃって…」
え?遅くない?危機感を感じるの!
婚約が決まる前!今年に入って二人が付き合い始めたかな?って感じた時に、危機感を覚えなきゃいけなかったんじゃないの⁉︎
アホか!と突っ込みたかったが、傷心の人間に鬼みたいな事を言える訳もなく。
もしかして…婚約しちゃったけど…諦められないのかな?
「諦めないの?」
「…ガキの頃から好きで好きでしょうがないのに、そんな簡単に諦められるかよ。
他の男に今更取られるなんて、ありえねぇ」
大河は私に向かって滅茶苦茶ステキな笑顔で言ったので、思わず頑張れ!と思ってしまった。
「じゃあ、本当に悠太の事は、兄みたいに思っているって事なんだな」
しつこいなぁ…。
「うんそうよ。って言っても、悠太は義兄じゃなくて義弟になるんだけどね」
ヤバい!花蓮に失恋した大河に無神経な事を言ってしまったかな。
すぐに反省していると、大河が変な事を訊いてきた。
「じゃあ、俺は?俺の事も兄みたいって思うのか?」
「う〜ん。私、大河の事を兄みたいって思った事は一回もないなぁ…」
むしろ敵…天敵だと思っているわ、って出かかって、慌てて口を閉じた。
なのに大河は少し嬉しそうに見えた気がした。
天敵だと思っている大河と、なぜかこうして話している事を不思議に思いながら、ここに来て随分時間が経っている事に気がついた。
なかなか戻らない私を、きっとみんな心配している。
出てくる時、私たぶん挙動不審だっただろうから。
でもここで大河と珍しく話していたら、だいぶ心が落ち着いていた。
「もう行こうか」
そう言おうとして大河を見て気がついた。
私、自分の事ばかりだったけど…。
水面を見つめて何か考え込んでいる大河に、私は思い切って聞いてみた。
「大河は…大丈夫なの?」
大河は花蓮の事が小さい頃からずっと大好きだった。
悠太に花蓮との婚約を聞かされ、自分も辛かっただろうに、私がショックを受けないようにって光輝と一緒に心を配ってくれた。
結果としては最悪な形で私に伝わってしまったようだが、経緯をこうしてちゃんと話してくれたし、さっきは泣いている私の涙を優しく拭ってくれた。
天敵だ、鬼だと思っていたけれど少しだけ見直した。
天敵だけど、一応大事な幼馴染だし、私にできる事があれば力になりたいと思った。
「あ?俺か?」
「大河は…大丈夫なの?」
悠太と花蓮が結婚しちゃっても…。
「俺かぁ。まぁ、ちょっとヘコんだかな。俺、今まで何をやっていたんだろうって」
大河は花蓮に気持ちをちゃんと伝えていなかったんだろうか。
それを今になって後悔しているのかな?
「後悔…しているの?」
「ああ、後悔しているな…。好きな奴がいようがいまいが、さっさと自分のものにしてしまえば良かったなって…」
そうか。
小さい頃からずっと好きだと、好きってちゃんと言う事が、かえって難しかったのかもしれないな。
私と違ってモテる花蓮には、学生時代、何人か付き合っている人がいたし。
本当に、好きだって言うタイミングの問題だったのかもしれない。
私は大河の事が、天敵だけど、少し気の毒になった。
「そっか…」
ちゃんと好きだって言えれば良かったね。
「今は…どう思っているの?」
婚約の話を聞いてから1ヶ月経って、心の整理はついたのだろうか。
「今?ああ、そうだな。めっちゃ危機感を感じてるな。ヤバい!早く俺のものにしなくちゃって…」
え?遅くない?危機感を感じるの!
婚約が決まる前!今年に入って二人が付き合い始めたかな?って感じた時に、危機感を覚えなきゃいけなかったんじゃないの⁉︎
アホか!と突っ込みたかったが、傷心の人間に鬼みたいな事を言える訳もなく。
もしかして…婚約しちゃったけど…諦められないのかな?
「諦めないの?」
「…ガキの頃から好きで好きでしょうがないのに、そんな簡単に諦められるかよ。
他の男に今更取られるなんて、ありえねぇ」
大河は私に向かって滅茶苦茶ステキな笑顔で言ったので、思わず頑張れ!と思ってしまった。