極上御曹司のヘタレな盲愛
「まぁ、どうせ婚約者なんだから、一緒のベッドで寝るんだけどな」
「待って!待って!待って」
「言っただろ?俺はこう見えて形にこだわるんだ」
ああ、そんな事を言ってたな…。
「キングサイズでも良かったけど、クイーンサイズの方が新婚って感じがするだろう?」
まあ確かにね…って違う!
「それに今朝も言ったよな。これから毎日こうだから慣れろって」
「あ…」
色々衝撃的な事がありすぎてすっかり忘れていたが、今朝起きた時の事を思い出して全身が真っ赤に染まった。
本当になんて1日だろう!
早朝、天敵だった筈の大河の腕の中で目覚めて、ホテルでブランチして、テニスをして優勝して…家に帰ったらその天敵と結婚しろって言われて…。
今は天敵の偽物婚約者として、離婚前提なのに同じベッドで眠るように強要されている。
本当になんて日なの⁉︎
昨日、バーベキューの時に高橋君の事を『強引だな、でも営業だから多少強引じゃないと務まらないんだろうな』って思ったけど、改めて考えると我が社の精鋭が集まる営業で、29歳の若さで課長を任されている男だ。
大河の強引さは高橋君の比ではなかった。
私が勝てるわけもない…。
「はぁーー。なんか疲れちゃった。お腹すいたし」
言い合うのも疲れて気がつけば、もう20時になろうとしている。
「ああそうだな。ここの下には美味い店も何軒か入っているから行ってみるか?」
「うん。じゃちょっと着替えてくるから待ってて」
さすがに保養所帰りのTシャツと短パンじゃあね…。
私の荷物が置いてある部屋に入りタンスやクローゼットを開けてみると、実家で使っていたままの形できちんと収納されていた。
下着とか見られたのかな…嫌だな…でも楽々パックってすごいな。
少し甘めのシンプルなワンピースに着替えて、メイクも軽くなおして部屋を出た。
部屋を出ると大河もラフすぎない服に着替えていた。
悔しいけど、イケメンは何を着ても様になる。
大河は私の前に立つと、私を上から下まで見て満足したようにニッコリ笑って「可愛い」と言うと、私の顳顬に1つキスを落とした。
「なっ…!」
私が真っ赤になって固まっていると
「行くぞ」
とクスクス笑いながら私の手を引いた。
エレベーターで1階まで降りる。
さっきは地下のエレベーターで直接上がってしまいわからなかったが、1階エントランスは高級ホテルのフロントのようで、滝まで流れている。
滝の横のカウンターには勿論コンシェルジュが昼夜常駐していた。
大河と私が近づくと
「水島様、お出かけでございますか?」
と美人のコンシェルジュさんが素敵な笑顔で訊いてきた。
「ああ」
大河は答えると、私の肩に手を回しグイッと自分の方に引き寄せて言った。
「俺の婚約者の似鳥 桃です。今日からここに住むので宜しくお願いします」
「似鳥です。宜しくお願いします」
私が頭を下げると。
「似鳥様、こちらこそ宜しくお願い致します。私、コンシェルジュの浅井と申します。他のものにも申し伝えておきますのでご安心下さい。何かご用が御座いましたら何でも承ります」
とニッコリ笑った。
が…。
婚約者と紹介された時、浅井さんから一瞬、私の頭からつま先まで値踏みするような視線が送られた事に気づいていた。
ああ、こんな所にも大河フアンがいた…。
大河は肩に回していた手を私の腰に回し直し、グッと自分の方に引き寄せると「行くぞ」と歩き出した。
「大河!近すぎるって!」
コンシェルジュさんから離れた所で私は抗議の声をあげた。
もう何年もまともに話した事もなかった私と大河なのに、昨日からの近すぎる距離に眩暈がしそうだ。
もう!私との距離を縮めてどうするのよ!
3ヶ月で花蓮を落とさないといけないのに…。
「待って!待って!待って」
「言っただろ?俺はこう見えて形にこだわるんだ」
ああ、そんな事を言ってたな…。
「キングサイズでも良かったけど、クイーンサイズの方が新婚って感じがするだろう?」
まあ確かにね…って違う!
「それに今朝も言ったよな。これから毎日こうだから慣れろって」
「あ…」
色々衝撃的な事がありすぎてすっかり忘れていたが、今朝起きた時の事を思い出して全身が真っ赤に染まった。
本当になんて1日だろう!
早朝、天敵だった筈の大河の腕の中で目覚めて、ホテルでブランチして、テニスをして優勝して…家に帰ったらその天敵と結婚しろって言われて…。
今は天敵の偽物婚約者として、離婚前提なのに同じベッドで眠るように強要されている。
本当になんて日なの⁉︎
昨日、バーベキューの時に高橋君の事を『強引だな、でも営業だから多少強引じゃないと務まらないんだろうな』って思ったけど、改めて考えると我が社の精鋭が集まる営業で、29歳の若さで課長を任されている男だ。
大河の強引さは高橋君の比ではなかった。
私が勝てるわけもない…。
「はぁーー。なんか疲れちゃった。お腹すいたし」
言い合うのも疲れて気がつけば、もう20時になろうとしている。
「ああそうだな。ここの下には美味い店も何軒か入っているから行ってみるか?」
「うん。じゃちょっと着替えてくるから待ってて」
さすがに保養所帰りのTシャツと短パンじゃあね…。
私の荷物が置いてある部屋に入りタンスやクローゼットを開けてみると、実家で使っていたままの形できちんと収納されていた。
下着とか見られたのかな…嫌だな…でも楽々パックってすごいな。
少し甘めのシンプルなワンピースに着替えて、メイクも軽くなおして部屋を出た。
部屋を出ると大河もラフすぎない服に着替えていた。
悔しいけど、イケメンは何を着ても様になる。
大河は私の前に立つと、私を上から下まで見て満足したようにニッコリ笑って「可愛い」と言うと、私の顳顬に1つキスを落とした。
「なっ…!」
私が真っ赤になって固まっていると
「行くぞ」
とクスクス笑いながら私の手を引いた。
エレベーターで1階まで降りる。
さっきは地下のエレベーターで直接上がってしまいわからなかったが、1階エントランスは高級ホテルのフロントのようで、滝まで流れている。
滝の横のカウンターには勿論コンシェルジュが昼夜常駐していた。
大河と私が近づくと
「水島様、お出かけでございますか?」
と美人のコンシェルジュさんが素敵な笑顔で訊いてきた。
「ああ」
大河は答えると、私の肩に手を回しグイッと自分の方に引き寄せて言った。
「俺の婚約者の似鳥 桃です。今日からここに住むので宜しくお願いします」
「似鳥です。宜しくお願いします」
私が頭を下げると。
「似鳥様、こちらこそ宜しくお願い致します。私、コンシェルジュの浅井と申します。他のものにも申し伝えておきますのでご安心下さい。何かご用が御座いましたら何でも承ります」
とニッコリ笑った。
が…。
婚約者と紹介された時、浅井さんから一瞬、私の頭からつま先まで値踏みするような視線が送られた事に気づいていた。
ああ、こんな所にも大河フアンがいた…。
大河は肩に回していた手を私の腰に回し直し、グッと自分の方に引き寄せると「行くぞ」と歩き出した。
「大河!近すぎるって!」
コンシェルジュさんから離れた所で私は抗議の声をあげた。
もう何年もまともに話した事もなかった私と大河なのに、昨日からの近すぎる距離に眩暈がしそうだ。
もう!私との距離を縮めてどうするのよ!
3ヶ月で花蓮を落とさないといけないのに…。