極上御曹司のヘタレな盲愛
自分の祖父…水島泰造にそう言うと。
「わかるぞ!大河!儂も桜ちゃんに同じ事をやった!そして儂は…嫌われたんだ…」
と肩をガックリ落として言われた。
祖父は初恋の相手の、桃にそっくりな桃の祖母、桜さんに全く同じ事をして嫌われたらしい。
そしてその時、桜さんを優しく慰めた似鳥の祖父さんに取られて結婚されてしまったんだとか…。
その後、祖父さんは幼馴染で桜さんの親友だった祖母さん…燿子さんと結婚して今では仲良くやっているが…。
うまくいかなかった初恋は…金持ちで男前で…なんでも思い通りにしてきた祖父さんの唯一の敗北とあって、あの人の心にいつまでも引っかかっているのよ、と祖母さんがクスクス笑いながら話してくれた。
いつまでも桜さんの事を思っていたり、自分の孫よりも桃を可愛がる祖父さんに腹が立たないのかと、祖母さんに問うと…。
「だって桜ちゃんは私にとっても大事な大親友だもの!私だって、亡くなった桜ちゃんの事をずっと忘れずに想っているわ。
桃ちゃんの事は可愛くて私も大好き!見ていると、自分と桜ちゃんの子供の頃を思い出せて嬉しいの。大河と桃ちゃんが結婚したら、私はとても幸せよ」
と言って微笑んでいた。
なんでも…。
家柄の良かった曽祖父がイギリス留学していた時に、イギリス人の曽祖母と大恋愛の末結婚して生まれた耀子さんは、明るい蜂蜜色の髪や、色素の薄い肌、青みがかった目や長い手足など、その頃は珍しかったハーフの外見のため、日本の学校で随分虐められたり、周りから距離を置かれたらしい。
そんな燿子さんをいつも庇って守って一緒にいてくれたのが桜さんだったんだそうだ。
話は逸れたが…。
双子が2年、俺達が6年の時…。
ゴム製のゴキブリを大量に桃に投げて泣かせたのを、桃のおじさんに見つかってゲンコツをくらった事があった…。
庭につまみ出されると
「お前は桃の事が好きなのか、嫌いなのか、どっちなんだ⁉︎」
とおじさんが訊いてくるので
「大好きだ!」
と答えた。
「ガキめ!」
おじさんがニヤリと笑って言ったので、いいチャンスだと思って俺は言ったんだ。
「おじさん!俺は桃が大好きだから、俺と桃が大人になったら桃を俺の嫁にくれよ」
「桃の気持ち次第だろう。お前が意地悪ばかりして、大人の桃がお前の事を嫌いだと言ったら…お前に桃はやらねェよ」
好かれるように精々頑張れ、とおじさんは笑って言った。
「絶対俺の事をそのうち好きにさせて桃と結婚するからな!それまで他の誰にも桃をやるなよ!悠太にもだぞ!約束だからな!」
「わかった、わかった」
おじさんは大笑いしながら家の中に戻り、おばさんと俺の方を見ながら何か話し、2人でまた大笑いしていた。
「チッ!」
俺は舌打ちをすると、家の中にいる桃の方に目をやった。
泣いていた桃は悠太に慰められて泣き止んで、頭を撫でられて嬉しそうに悠太を見上げてニコッと笑っていた。
…う〜…チクショウ…めちゃくちゃ可愛い…。
「クソーー!悠太のやつ!許せん!」
見当違いな怒りに肩を震わせていると、ガサッと背後で音がした。
「わかるぞ!大河!儂も桜ちゃんに同じ事をやった!そして儂は…嫌われたんだ…」
と肩をガックリ落として言われた。
祖父は初恋の相手の、桃にそっくりな桃の祖母、桜さんに全く同じ事をして嫌われたらしい。
そしてその時、桜さんを優しく慰めた似鳥の祖父さんに取られて結婚されてしまったんだとか…。
その後、祖父さんは幼馴染で桜さんの親友だった祖母さん…燿子さんと結婚して今では仲良くやっているが…。
うまくいかなかった初恋は…金持ちで男前で…なんでも思い通りにしてきた祖父さんの唯一の敗北とあって、あの人の心にいつまでも引っかかっているのよ、と祖母さんがクスクス笑いながら話してくれた。
いつまでも桜さんの事を思っていたり、自分の孫よりも桃を可愛がる祖父さんに腹が立たないのかと、祖母さんに問うと…。
「だって桜ちゃんは私にとっても大事な大親友だもの!私だって、亡くなった桜ちゃんの事をずっと忘れずに想っているわ。
桃ちゃんの事は可愛くて私も大好き!見ていると、自分と桜ちゃんの子供の頃を思い出せて嬉しいの。大河と桃ちゃんが結婚したら、私はとても幸せよ」
と言って微笑んでいた。
なんでも…。
家柄の良かった曽祖父がイギリス留学していた時に、イギリス人の曽祖母と大恋愛の末結婚して生まれた耀子さんは、明るい蜂蜜色の髪や、色素の薄い肌、青みがかった目や長い手足など、その頃は珍しかったハーフの外見のため、日本の学校で随分虐められたり、周りから距離を置かれたらしい。
そんな燿子さんをいつも庇って守って一緒にいてくれたのが桜さんだったんだそうだ。
話は逸れたが…。
双子が2年、俺達が6年の時…。
ゴム製のゴキブリを大量に桃に投げて泣かせたのを、桃のおじさんに見つかってゲンコツをくらった事があった…。
庭につまみ出されると
「お前は桃の事が好きなのか、嫌いなのか、どっちなんだ⁉︎」
とおじさんが訊いてくるので
「大好きだ!」
と答えた。
「ガキめ!」
おじさんがニヤリと笑って言ったので、いいチャンスだと思って俺は言ったんだ。
「おじさん!俺は桃が大好きだから、俺と桃が大人になったら桃を俺の嫁にくれよ」
「桃の気持ち次第だろう。お前が意地悪ばかりして、大人の桃がお前の事を嫌いだと言ったら…お前に桃はやらねェよ」
好かれるように精々頑張れ、とおじさんは笑って言った。
「絶対俺の事をそのうち好きにさせて桃と結婚するからな!それまで他の誰にも桃をやるなよ!悠太にもだぞ!約束だからな!」
「わかった、わかった」
おじさんは大笑いしながら家の中に戻り、おばさんと俺の方を見ながら何か話し、2人でまた大笑いしていた。
「チッ!」
俺は舌打ちをすると、家の中にいる桃の方に目をやった。
泣いていた桃は悠太に慰められて泣き止んで、頭を撫でられて嬉しそうに悠太を見上げてニコッと笑っていた。
…う〜…チクショウ…めちゃくちゃ可愛い…。
「クソーー!悠太のやつ!許せん!」
見当違いな怒りに肩を震わせていると、ガサッと背後で音がした。