極上御曹司のヘタレな盲愛
大河の車で昨夜のビジネスホテルに置いてあった荷物を取りに行き精算を終えると、大河のマンションに戻った。
地下駐車場からエレベーターで部屋まで行く間、ずっと大河に手を繋がれていた…。
「また逃げられそうだから…」と。
帰ってきてお互いに部屋着に着替え、キッチンでコーヒーを淹れる。
大河はそれをリビングのローテーブルに置き、ソファーにどかっと座ると…私に手招きして自分の隣をポンポンと叩いた。
少し間を空けて私が座ると、大河は子供のように口を尖らせ距離を縮めてきて、私の手を取り指を絡ませてきた。
「だから!こういうの、好きな人以外にしたらダメだってば!さっきも言ったでしょ!」
私が手を離そうとするが、大河は手を離すどころかギュッと力を込め、自分にピッタリくっつくように私を引き寄せた。
「だから!」
私が身を引こうとすると
「好きな女にしかするわけないだろ?こんな事…」
「んッ!」
大河は私の唇をペロッと舐めたあと、わざとらしくリップ音を立ててキスをした。
「‼︎」
もう!
「あの…私、大河が私にこういう事をする意味がわからないんだけど…。
だって大河は子供の頃からずっと花蓮の事が好きだったでしょう?それは間違いないよね?
だって大河が高等部で私が中等部だった頃、学食で大河が『子供の頃から双子の妹は自分のものだから手を出すなよ』ってお友達に言ってるの、私確かに聞いたよ。あの時ちゃんと目も合ったよね!
それに慰安旅行の時に川で、大河言ったよね。子供の頃からずっと好きでしょうがないから諦められないって…。
悠太と婚約しちゃったけど、花蓮を諦められないって事でしょう?なのになんで⁉︎」
大河が私の顔を見て呆れた顔をして大きな溜息を吐いた。
なによ!なんかムカつくー!
「あのなぁ、俺が花蓮を好きなら、なんでお前と結婚するんだよ」
「だから!『とりあえず』双子の姉の私と結婚して花蓮の近くにいて、絶対に自分の事を好きにさせるって…落としてみせるって言ってたじゃない!離れていたら伝わらないからって…」
「はぁ?」
「お父さんも大河んちのおじさまも、子供の頃からの大河の花蓮への気持ちを汲んで、私と大河を『とりあえず』結婚させるって事なんでしょう?その…私を踏み台にして『とりあえず』義兄の立場で花蓮のそばにいさせて、大河に花蓮を落とさせようと…。
どうせ私は『双子の残念な方』だし…時期が来たら用済みポイ捨てなのよね!」
「…なるほど…それで家出か…」
大河は私と繋いでいない方の手で顳顬を押さえて、眉間に皺を寄せている。
「どこからどう訂正すればいいのか…まずは根本からだろうな」
天を仰いでいた大河は
「いいか?よーーく聞けよ!」
と繋いでいた手を離し私の両肩に手をかけると、グイッと私を大河の方に体ごと向かせた。
正面から向き合い、お互いの瞳を見つめ合う。
私はコクリと頷いた。
「まず……」
大河は大きく息を吸うと、ゆっくりと言った。
「まず…俺が物心ついた頃からずっと好きなのは……桃…お前だよ…。
花蓮じゃないんだ…」
地下駐車場からエレベーターで部屋まで行く間、ずっと大河に手を繋がれていた…。
「また逃げられそうだから…」と。
帰ってきてお互いに部屋着に着替え、キッチンでコーヒーを淹れる。
大河はそれをリビングのローテーブルに置き、ソファーにどかっと座ると…私に手招きして自分の隣をポンポンと叩いた。
少し間を空けて私が座ると、大河は子供のように口を尖らせ距離を縮めてきて、私の手を取り指を絡ませてきた。
「だから!こういうの、好きな人以外にしたらダメだってば!さっきも言ったでしょ!」
私が手を離そうとするが、大河は手を離すどころかギュッと力を込め、自分にピッタリくっつくように私を引き寄せた。
「だから!」
私が身を引こうとすると
「好きな女にしかするわけないだろ?こんな事…」
「んッ!」
大河は私の唇をペロッと舐めたあと、わざとらしくリップ音を立ててキスをした。
「‼︎」
もう!
「あの…私、大河が私にこういう事をする意味がわからないんだけど…。
だって大河は子供の頃からずっと花蓮の事が好きだったでしょう?それは間違いないよね?
だって大河が高等部で私が中等部だった頃、学食で大河が『子供の頃から双子の妹は自分のものだから手を出すなよ』ってお友達に言ってるの、私確かに聞いたよ。あの時ちゃんと目も合ったよね!
それに慰安旅行の時に川で、大河言ったよね。子供の頃からずっと好きでしょうがないから諦められないって…。
悠太と婚約しちゃったけど、花蓮を諦められないって事でしょう?なのになんで⁉︎」
大河が私の顔を見て呆れた顔をして大きな溜息を吐いた。
なによ!なんかムカつくー!
「あのなぁ、俺が花蓮を好きなら、なんでお前と結婚するんだよ」
「だから!『とりあえず』双子の姉の私と結婚して花蓮の近くにいて、絶対に自分の事を好きにさせるって…落としてみせるって言ってたじゃない!離れていたら伝わらないからって…」
「はぁ?」
「お父さんも大河んちのおじさまも、子供の頃からの大河の花蓮への気持ちを汲んで、私と大河を『とりあえず』結婚させるって事なんでしょう?その…私を踏み台にして『とりあえず』義兄の立場で花蓮のそばにいさせて、大河に花蓮を落とさせようと…。
どうせ私は『双子の残念な方』だし…時期が来たら用済みポイ捨てなのよね!」
「…なるほど…それで家出か…」
大河は私と繋いでいない方の手で顳顬を押さえて、眉間に皺を寄せている。
「どこからどう訂正すればいいのか…まずは根本からだろうな」
天を仰いでいた大河は
「いいか?よーーく聞けよ!」
と繋いでいた手を離し私の両肩に手をかけると、グイッと私を大河の方に体ごと向かせた。
正面から向き合い、お互いの瞳を見つめ合う。
私はコクリと頷いた。
「まず……」
大河は大きく息を吸うと、ゆっくりと言った。
「まず…俺が物心ついた頃からずっと好きなのは……桃…お前だよ…。
花蓮じゃないんだ…」