極上御曹司のヘタレな盲愛
「大河!待ってッ!私、誘ってなんかな…んんッ!」

大河の体を押そうとした手が…指を絡めてシーツに縫いとめられると、大河は熱いキスで私の唇を塞いだ…。

「んッ!」
最初は結んでいた唇も…大河の舌で唇を何度もなぞられているうちに擽ったくて少しずつ開いてしまい…隙を逃さず侵入した大河に舌を容易く絡め取られてしまう。

嫌だ、待ってと言いながら…。

大した抵抗もできず、大河の深いキスを受け入れてしまっている自分が恥ずかしく、全身が赤く染まる。

どうして全力で抵抗できないんだろう…。
どうして本気で嫌だって思えないんだろう…。
どうして大河とのキスは…こんなに気持ちいいんだろう…。

拒めない…。
大河の20年を超える告白を聞いてしまった今では、大河の事を嫌いって思う気持ちなんて心の中のどこにもない…。
むしろ…。

大河にはあんな事を言ってしまったけれど…。
大河のヘビー級な私への好意…本当は涙が出るほど嬉しかった…。

もう…形だけの抵抗も出来ずに…私は大河とのキスに酔っていた…。

舌と舌が絡み合うクチュクチュという音が耳に響き、恥ずかしさと快感に何も考えられなくなっていく…。

その間にも、大河の私と繋いでいない方の手は忙しなく動き、いつのまにか私も大河も…一糸纏わぬ姿になっていた…。

そんな事すら頭の隅にも引っかからないくらいに…。
私の好きな大河の匂いに全身包まれて、大河の指や舌から与えられる初めて感じる刺激と快感に…私はトロトロに溶かされて…我を忘れた…。

「桃…可愛い…」
「めちゃめちゃ好きだ…」

快感の合間に、大河の言葉が熱い吐息とともに耳のそばで響くたびに体が震える。

「は…ぁんッ…」
自分のものとは思えない甘えるような声…。
恥ずかしくて…堪えようとしても、溜息と共に漏れてしまいどうにもならない…。

足を開かれ…腰をグイッと抱えられ…。

「桃…挿れるよ…」
と囁かれ…。

快感に酔いしれて瞑っていた目をゆっくり開くと…欲情を宿した大河の瞳と視線がぶつかった…。

瞬間…!

『これでいいの?このまま流されていいの?』って自分の心が叫ぶのが聞こえた…。


「だ!…だめーーッ!挿れちゃだめーーッ!」

私は開いていた膝頭に力を入れ、ギューっと足を閉じた。

「わっ!な…お前!ここまできて!…鬼かッ!」

大河が再び膝を割ってこようとするのを、足に力を入れ全力で阻止する。


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