極上御曹司のヘタレな盲愛
お昼を過ぎた頃大河が
「せっかく有休とったし、ちょっと出るか…」
と言った。
「夕飯の買い出しに行きたい!」
と答えると、じゃあ郊外に最近できた大型ショッピングモールに行こうかという事になった。
ショッピングモールに着きランチを済ませると、二人でお店を見て回った。
いつも行くデパートとはまた違って面白い。
「欲しいものがあったら何でも言えよ。買ってやるから」
「いいよ。働いてるんだもん、欲しいものがあれば自分で買うよ」
「何でだよ!俺は今までできなかった分、お前になんかしてやりたくて堪らないんだよ!」
「いいってば…」
大河が顔を覗き込んで恥ずかしい事を言ってくるので、必要以上にぶっきら棒に答えてしまう。
近くにいた女性の2人組の耳に入ったのか、チラッと大河の顔を見て…次の瞬間…ボッと顔を赤らめた。
そして次に隣にいる私の顔を見て微妙な表情を浮かべる…。
ごめんなさい…こんな超絶イケメンにアホな事を言わせている女が、私ごとき普通の女で…。
改めて思うけれど…。
大河と歩くと女の人の視線が刺さって痛い。
本人は慣れているのか降り注ぐ視線を気にも留めていないが…。
思えば学生の頃もずっとこうだったな…。
大河が通ると、女性は大概ハッとしたように大河の顔を見て、惚けたようになり顔を赤らめる。
友人同士で歩いている女の子達は、大河を見てキャッとなり、私を見てヒソヒソ話。
ああ、がっかりされているんだろうな、と思う。
家で…2人でいる時は…楽しいのに。
外で他人の目を感じると、途端に逃げ出したくなる…。
ちょっと離れて歩こうか…と繋いでいる手をそっと外そうとすると、逆にグッと手に力を込められた。
「逃げるなよ…」
見上げると…優しさの中に厳しさを宿した大河の瞳と視線がぶつかり、コクンと頷く。
大河がふっと優しく笑った。
何か見たいものは?と訊かれ、昨夜デパートで欲しいものを買ったばかりなので、食料品以外は要らないと言うと…。
「じゃあ、こっち…」
大河に手を引かれて行ったのはジュエリーショップだった。
「婚約指輪と結婚指輪は後でちゃんとするから…。とりあえず…男除けな」
大河は私の左薬指に合わせて、お直しせずにすぐに着けて帰る事が出来るものを、と注文した。
数点用意してもらい、その中から「これだな…」と一つ選び会計した後、私の左薬指に…ハートのダイヤの周りをメレダイヤが囲むとても可愛いデザインの指輪を嵌めた。
顔の前で、左手をパーにして指輪に見入る私に
「気に入った?」
と大河がきいてくる。
「うん!ありがとう!」
私がニッコリ笑って答えると、大河は満足そうに頷いた。
「会社に行く時も絶対に外すなよ!ちゃんと着けてろよ」
帰りの車の中で大河が言う。
「えーっ!」
「男除けなんだから当たり前だろ」
「そんな、除けるほどモテないよ…」
「アホか!高橋に告られたの忘れたか!」
「……」
色々な事があり過ぎて…。
忘れてた!
高橋君…ごめんね…。
「せっかく有休とったし、ちょっと出るか…」
と言った。
「夕飯の買い出しに行きたい!」
と答えると、じゃあ郊外に最近できた大型ショッピングモールに行こうかという事になった。
ショッピングモールに着きランチを済ませると、二人でお店を見て回った。
いつも行くデパートとはまた違って面白い。
「欲しいものがあったら何でも言えよ。買ってやるから」
「いいよ。働いてるんだもん、欲しいものがあれば自分で買うよ」
「何でだよ!俺は今までできなかった分、お前になんかしてやりたくて堪らないんだよ!」
「いいってば…」
大河が顔を覗き込んで恥ずかしい事を言ってくるので、必要以上にぶっきら棒に答えてしまう。
近くにいた女性の2人組の耳に入ったのか、チラッと大河の顔を見て…次の瞬間…ボッと顔を赤らめた。
そして次に隣にいる私の顔を見て微妙な表情を浮かべる…。
ごめんなさい…こんな超絶イケメンにアホな事を言わせている女が、私ごとき普通の女で…。
改めて思うけれど…。
大河と歩くと女の人の視線が刺さって痛い。
本人は慣れているのか降り注ぐ視線を気にも留めていないが…。
思えば学生の頃もずっとこうだったな…。
大河が通ると、女性は大概ハッとしたように大河の顔を見て、惚けたようになり顔を赤らめる。
友人同士で歩いている女の子達は、大河を見てキャッとなり、私を見てヒソヒソ話。
ああ、がっかりされているんだろうな、と思う。
家で…2人でいる時は…楽しいのに。
外で他人の目を感じると、途端に逃げ出したくなる…。
ちょっと離れて歩こうか…と繋いでいる手をそっと外そうとすると、逆にグッと手に力を込められた。
「逃げるなよ…」
見上げると…優しさの中に厳しさを宿した大河の瞳と視線がぶつかり、コクンと頷く。
大河がふっと優しく笑った。
何か見たいものは?と訊かれ、昨夜デパートで欲しいものを買ったばかりなので、食料品以外は要らないと言うと…。
「じゃあ、こっち…」
大河に手を引かれて行ったのはジュエリーショップだった。
「婚約指輪と結婚指輪は後でちゃんとするから…。とりあえず…男除けな」
大河は私の左薬指に合わせて、お直しせずにすぐに着けて帰る事が出来るものを、と注文した。
数点用意してもらい、その中から「これだな…」と一つ選び会計した後、私の左薬指に…ハートのダイヤの周りをメレダイヤが囲むとても可愛いデザインの指輪を嵌めた。
顔の前で、左手をパーにして指輪に見入る私に
「気に入った?」
と大河がきいてくる。
「うん!ありがとう!」
私がニッコリ笑って答えると、大河は満足そうに頷いた。
「会社に行く時も絶対に外すなよ!ちゃんと着けてろよ」
帰りの車の中で大河が言う。
「えーっ!」
「男除けなんだから当たり前だろ」
「そんな、除けるほどモテないよ…」
「アホか!高橋に告られたの忘れたか!」
「……」
色々な事があり過ぎて…。
忘れてた!
高橋君…ごめんね…。