極上御曹司のヘタレな盲愛
覚悟
翌朝…。
満員電車で揺られている。
見上げると、ドアの横に壁ドン状態で私を守るように立っている大河と目が合う。
また今朝も…一緒に会社に行くか行かないかで一悶着あり、結局大河に押し切られてしまった。
会社の最寄り駅まで3駅。
もうすでに社内の誰かに見られているかもしれない…。
私が小さく溜息を吐いた事に気付いた大河が
「いい加減覚悟を決めろよ」
と耳元で囁く。
一昨日の朝は…大河は花蓮の事が好きで、花蓮を落とすための手段で私との結婚を望んでいると信じていたから、大河がどうして私と結婚する事を、わざわざ会社の人に知らせたいのか全く理解できなかった。
でも大河が本当に好きだったのは私だと知り、なんだか全力で逃げられなくなってしまった。
左手の薬指には、昨日大河から貰った指輪が嵌っている…。
「外したらお仕置きだからな…」
私の考えを読んだかのように、大河が私の頭上から言った。
美波先輩と恵利ちゃんには当然、指輪について訊かれるだろう…。
2人には本当の事を言うしかないな…隠し事もしたくないし…。
3駅は短く、あっという間に着いてしまった。
言われた通り、改札を出て大河の隣を歩くが、どうしても俯き加減になってしまう。
こうなったら、早く社屋に入って別行動せねば…!
「桃ちゃん、おはよ…あ、水島課長、おはようございます」
「高橋君!おはよう…」
「おはよう…」
改札を出た所で高橋君に声をかけられ、必然的に私を真ん中に3人で肩を並べて会社まで歩く事になった。
気まずいっ!
「桃ちゃん、昨日はごめんね。自分から誘っておいて…」
「ううんッ!いいの!」
「家出のことで社長に叱られなかった?俺ずっと心配だったよ」
「大丈夫…怒られてない」
よかった〜と笑う高橋君…。
う〜…朝から爽やか過ぎて笑顔が眩しい!
「じゃあ、今晩予定ある?今日こそ晩飯食いに行こうよ!」
「あの…高橋君、その事だけど…あのね…」
と言いかけた私の言葉を大河が遮る。
「高橋…」
大河は私の左手を取ると、高橋君に薬指の指輪を見せつけるようにした。
「こいつもう俺のものだから…。2人で晩飯とか許さねぇ」
「た…大河‼︎」
「えっ…⁉︎」
呆然と立ち止まる高橋君…。
大河はそのまま私の左手をグイグイと引っ張って、会社の方に歩いて行く。
「ご…ごめんね、高橋君…後でちゃんと…」
よろめきながら高橋君を振り返ると、高橋君はハッとしたように走って追いかけて来た。
「ちょっと!ちょっと待って!」
私達に追いつくと私の右の腕を掴み…。
「え?2人って付き合ってるの?…っていうか、課長は花蓮さんの事が好きだって噂あったよね!もうそれでいいじゃないですか!
なんとなく慰安旅行の時、課長が好きなのは桃ちゃんじゃないかって気がしてたけど!
桃ちゃんはあの時課長の事好きだった?違うよね!付き合ってる人いないって言ってたし…。
え?どういう事?」
「本当にごめんね、ちゃんとお返事する前に…。えっと、あの時は全然付き合ってなんかなかったんだけど…。
っていうか、私もこの人は花蓮の事が好きなんだってずっと思ってたし…」
と大河の方を見る。
満員電車で揺られている。
見上げると、ドアの横に壁ドン状態で私を守るように立っている大河と目が合う。
また今朝も…一緒に会社に行くか行かないかで一悶着あり、結局大河に押し切られてしまった。
会社の最寄り駅まで3駅。
もうすでに社内の誰かに見られているかもしれない…。
私が小さく溜息を吐いた事に気付いた大河が
「いい加減覚悟を決めろよ」
と耳元で囁く。
一昨日の朝は…大河は花蓮の事が好きで、花蓮を落とすための手段で私との結婚を望んでいると信じていたから、大河がどうして私と結婚する事を、わざわざ会社の人に知らせたいのか全く理解できなかった。
でも大河が本当に好きだったのは私だと知り、なんだか全力で逃げられなくなってしまった。
左手の薬指には、昨日大河から貰った指輪が嵌っている…。
「外したらお仕置きだからな…」
私の考えを読んだかのように、大河が私の頭上から言った。
美波先輩と恵利ちゃんには当然、指輪について訊かれるだろう…。
2人には本当の事を言うしかないな…隠し事もしたくないし…。
3駅は短く、あっという間に着いてしまった。
言われた通り、改札を出て大河の隣を歩くが、どうしても俯き加減になってしまう。
こうなったら、早く社屋に入って別行動せねば…!
「桃ちゃん、おはよ…あ、水島課長、おはようございます」
「高橋君!おはよう…」
「おはよう…」
改札を出た所で高橋君に声をかけられ、必然的に私を真ん中に3人で肩を並べて会社まで歩く事になった。
気まずいっ!
「桃ちゃん、昨日はごめんね。自分から誘っておいて…」
「ううんッ!いいの!」
「家出のことで社長に叱られなかった?俺ずっと心配だったよ」
「大丈夫…怒られてない」
よかった〜と笑う高橋君…。
う〜…朝から爽やか過ぎて笑顔が眩しい!
「じゃあ、今晩予定ある?今日こそ晩飯食いに行こうよ!」
「あの…高橋君、その事だけど…あのね…」
と言いかけた私の言葉を大河が遮る。
「高橋…」
大河は私の左手を取ると、高橋君に薬指の指輪を見せつけるようにした。
「こいつもう俺のものだから…。2人で晩飯とか許さねぇ」
「た…大河‼︎」
「えっ…⁉︎」
呆然と立ち止まる高橋君…。
大河はそのまま私の左手をグイグイと引っ張って、会社の方に歩いて行く。
「ご…ごめんね、高橋君…後でちゃんと…」
よろめきながら高橋君を振り返ると、高橋君はハッとしたように走って追いかけて来た。
「ちょっと!ちょっと待って!」
私達に追いつくと私の右の腕を掴み…。
「え?2人って付き合ってるの?…っていうか、課長は花蓮さんの事が好きだって噂あったよね!もうそれでいいじゃないですか!
なんとなく慰安旅行の時、課長が好きなのは桃ちゃんじゃないかって気がしてたけど!
桃ちゃんはあの時課長の事好きだった?違うよね!付き合ってる人いないって言ってたし…。
え?どういう事?」
「本当にごめんね、ちゃんとお返事する前に…。えっと、あの時は全然付き合ってなんかなかったんだけど…。
っていうか、私もこの人は花蓮の事が好きなんだってずっと思ってたし…」
と大河の方を見る。