恋とマシンガン
「一緒に暮らして…」

最初の頃は何なんだ、この人はと思った。

お見合いの席ではああ言えばああ言って、こう言えばこう言ってきた宇奈月さんにカッとなって言い返した。

何故か宇奈月さんに気に入られて“お試し”と言うことで、1ヶ月間だけ同居をすることになった。

自分で振り返ってみると、何だかおかしな展開である。

「結香?」

言うために口を開いたら、投影中の注意事項のアナウンスが流れた。

それと同時に、ゆっくりと照明が落とされてドーム内が暗闇に包まれた。

「始まったな」

「…そうですね」

私たちの頭上に、満天の星空が現れた。

座席に躰を沈み込ませて、上を見あげる。

「キレイだ…」

宇奈月さんが呟いている声が聞こえた。
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