恋とマシンガン
そうかって、何を思ったの?

わかったって、何を理解したの?

「宇奈月さん…?」

それらのことを聞きたくて名前を呼んだけど、
「結香」

宇奈月さんは先に座席を立っていて、私に手を差し出してきた。

その手に自分の手を重ねて、私は座席から腰をあげた。

宇奈月さんに手を引かれるまま、館内を後にしたのだった。

「宇奈月さん、あの…」

「気持ちはわかった」

声をかけた私に、宇奈月さんが言った。

だけど、続きは言ってくれなかった。

何で?

どうして?

肝心なことを聞きたいのに、教えてくれない。

気持ちを知りたいだけなのに、何も言ってくれない。

イエスともノーとも、答えてくれない。

宇奈月さんが何を考えているのか、全くわからない…。

私は、どうすればいいのかわからなかった。
< 117 / 135 >

この作品をシェア

pagetop