恋とマシンガン
会社を後にして、電車に乗って最寄りの駅で降りると、そこから走って自宅へと向かった。

エレベーターに乗っている時間がこんなにももどかしいと思ったのは、今日が初めてかも知れない。

「ただいま帰りました!」

飛び込むようにして家の中に入ると、
「…ああ、お帰り」

ソファーに座って新聞を読んでいた宇奈月さんは少し驚いたと言うように返事をした。

「今日は遅かったな、残業お疲れ様。

夕飯を食べていないんだったら、冷蔵庫にコロッケが入ってるから…」

「お話があります!」

宇奈月さんの話をさえぎるようにして言うと、私はじゅうたんのうえに正座した。

「ど、どうしたんだ…?」

私の様子に宇奈月さんは気圧されたようだった。
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