恋とマシンガン
そして、当日を迎えた。

「いらっしゃいませ」

カフェに足を踏み入れた私を店員が迎えた。

「あの、宇奈月で予約をしているのですが…」

私は店員に伝えた。

“宇奈月”とは、お見合い相手の名前だ。

その人の名前を店員に伝えれば通してもらえるからと、2日前に母親から教えてもらった。

「はい、宇奈月様ですね。

こちらへどうぞ」

店員に案内されるように、私は席へと足を向かわせた。

「こちらでございます」

窓際の席に案内されると、すでに先客がいた。

この人がお見合い相手の宇奈月さんなんだと、私は思った。

「ごゆっくりどうぞ」

「はい、ありがとうございました」

店員は私の前から離れた。

「こ、こんにちは…」

私が宇奈月さんに声をかけると、それに気づいたと言うように彼はこちらに視線を向けた。
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