恋とマシンガン
「つきあった人くらいいます。

歴代の彼氏からも名前で呼ばれていました」

私が言ったら、
「なら、僕が呼んでもいいじゃないか」

宇奈月さんは言い返した。

「でも一緒に住むのは、たった1ヶ月ですよ?

その期間だけ名前で呼ばれるのは…」

「じゃあ、君も僕のことを名前で呼べばいい。

僕に呼ばれるのが不公平だと言うならば、君も僕のことを名前で呼べばいい。

僕の名前を知ってるだろう?」

もちろん、知っている。

でも、
「お断りします」

私は椅子から腰をあげた。

「まだ荷解きが終わってないので、この辺で失礼します。

何か用事があって部屋に入るなら、必ずノックしてください。

サンドイッチとコーヒー、ごちそうさまでした」

空っぽになった皿とグラスをキッチンへと持って行こうとしたら、
「僕が持って行くから、そのままにしといて」

宇奈月さんに止められた。

ジェントルマンか。
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