恋とマシンガン
「えっ、浮気?」

私は聞き返した。

「ワコさん――彼女の名前なんですけど――は5歳年上で、4年前に友人の紹介で知りあって交際を始めたんです。

半年前に一緒に暮らし始めたんですけど、浮気しているんじゃないかと思いまして…」

直木くんは気まずそうに言うと、鶏の唐揚げを口に入れた。

「…何で、浮気しているって思ったの?」

「パソコンやケータイを見てニヤニヤと笑っていたりとか」

「…それは、確かに怪しいわね」

もしかしたら、好きな男とやりとりをしているのかも知れない。

「読書と旅行が趣味だって言ってたけど、その割にはそれらしいことをしてないなって思って。

本の話題を出しても、“話題の本は読まない主義だ”って返されたり」

「…何かごまかされてるわね」

そう言った私に、直木くんはウウッ…と泣きそうな顔をした。
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