恋とマシンガン
目をそらした宇奈月さんの顔は紅かった。

照れているんだと思った。

そんな彼を、私はかわいいと思ってしまった。

ずるい、ずる過ぎる…。

容姿もいいし、大企業中の大企業の社長だし、お金持ちだし、料理もできるし、ただ性格に難があるし、変に強引だし、妙に過保護なところもあるし…あっ、後半はほとんどが悪口だ。

でも…ずる過ぎやしないか?

「――君も君だ」

そう思っていたら、宇奈月さんが言った。

「そんな…」

「えっ?」

「…そんな顔をされるのは、どうしていいのかわからないから困る」

「――ッ…!?」

私はどんな顔で宇奈月さんを見ていたのだろうか?

もう、本当にずるいです…。

私は彼に向かって、自分の手を伸ばした。
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