恋とマシンガン
その足で家に帰ったけれど、宇奈月さんはいなかった。

「――よかった、いなくて…」

まだ仕事から帰ってきていなくて、よかった…。

もし帰ってきてたら、私でも何をしでかすのかわからない…。

「――はあっ…」

その場で膝から崩れ落ちて、後ろに向かって倒れ込んだ。

謝ってくれるんじゃないかと思っていた。

一言でもいいから、謝罪の言葉をくれるんじゃないかと思っていた。

でも、
「――謝って、くれなかった…」

そんなことに期待を抱いていた自分をバカだと、殴りたくなった。

理美にとっては、私はその程度の存在だったんだと思った。

裏切られたのはショックだったけど、謝ってくれなかったことの方がもっとショックだった。

その程度だったんだと言うことを、改めて思い知らされた。
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