【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「はぁ……だめだ」


彼は溜息まじりの声。


前屈みになって膝に手をついたと思えば、そのまましゃがみ込んでしまった。



「葉由……」


消えてしまいそうな震え声。
私はすぐそばに駆け寄った。


「大賀君……どうしたの?なんで泣いているの?」


今まで絶対踏み込んじゃいけないって思ってたのに。



私は、ついに聞いてしまった。



「……葉由は俺のこと好きだよね?」


「うん」


「……ならきっと、傷つけるけど……。今まで誰にも言ったことのない話、聞いてくれる?」



大賀君のその声に、うるさいくらい心臓が鳴り続けた。



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