【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。

   ◆


俺ね、幼馴染がいるんだ。

幼稚園からずっと一緒だったんだけど。


その子……まぁ、仮に優ちゃんにしようか、優しい子だから。


あぁ、うん、女子だよ。


小学生の時とかさ、俺ほんとにやんちゃなクソガキで。いや、まじでね?


優ちゃんはいつもポニーテールしてたんだけど、その尻尾を掴んで泣かせるのが俺の仕事みたいな……。


毎日嫌がらせしてたんだよ。……すきだったから。


でもそんなことしてんだから、優ちゃんは俺のことがめっちゃくちゃ嫌いでさ。

まぁ、当然の報いだよね。


俺がそういう悪さすると、絶対助けに来る奴がいて、優ちゃんはそいつのことを好きだったんだ。


小学校の高学年くらいになっても俺、懲りずに優ちゃんのこと好きだったんだけど。


そのころようやくわかったんだよ。優ちゃんが想いを寄せてる男子みたいに優しくした方がいいって。


馬鹿でしょ?遅すぎるよね。もう十分嫌われてんのに。



< 103 / 206 >

この作品をシェア

pagetop