【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
◆
俺ね、幼馴染がいるんだ。
幼稚園からずっと一緒だったんだけど。
その子……まぁ、仮に優ちゃんにしようか、優しい子だから。
あぁ、うん、女子だよ。
小学生の時とかさ、俺ほんとにやんちゃなクソガキで。いや、まじでね?
優ちゃんはいつもポニーテールしてたんだけど、その尻尾を掴んで泣かせるのが俺の仕事みたいな……。
毎日嫌がらせしてたんだよ。……すきだったから。
でもそんなことしてんだから、優ちゃんは俺のことがめっちゃくちゃ嫌いでさ。
まぁ、当然の報いだよね。
俺がそういう悪さすると、絶対助けに来る奴がいて、優ちゃんはそいつのことを好きだったんだ。
小学校の高学年くらいになっても俺、懲りずに優ちゃんのこと好きだったんだけど。
そのころようやくわかったんだよ。優ちゃんが想いを寄せてる男子みたいに優しくした方がいいって。
馬鹿でしょ?遅すぎるよね。もう十分嫌われてんのに。