【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
でもそこから頑張ったわけ。


いじめるのもやめたし、何かと優ちゃんを助ける側に回ったりね。


優ちゃんって音楽が好きだったから、俺の歌とかピアノとかは小さいときからよく褒めてくれていたんだけど。


だからいいとこ見せたくて。習ってるバイオリンの発表会に呼んだり、教室のキーボードでふたりで連弾したり。




めちゃくちゃ楽しかったの、今でも忘れられない。


そうしているうちにどんどん仲良くなって、俺のこと「はーくん」ってあだ名までつけてくれて。


俺、下の名前、千颯っていうんだけど。「ちーくん」より「はーくん」が可愛いんだって。


そのあだ名がいつの間にか浸透して、みんな俺のこと「はーくん」とか「はー」って呼ぶわけ。


そういうのもなんか、発祥が優ちゃんだって思うとすごく嬉しかった。


今なんか、下の名前忘れられてんじゃねーのってくらいみんな大賀って呼ぶけどね。はは。



……とにかくね。優ちゃんは、俺の全部だった。


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