【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
ちょうど俺、事故のあとに、こっちに引っ越すことになって、星津学園に編入したんだ。


だからこのことは、誰も知らない。話してもない。



こっちに来たら、もうなんか全部嫌になってさ。


悲しいとか苦しいとか、もう全部わけわかんなくなって。ぶっ壊れそうで。


自暴自棄っていうの?


彼女作って気を紛らわせて、一分一秒、無になる瞬間を作らないようにしてた。


爆音の中にいたら楽になる気がして、バンドやって……ずっともがいてた。


だけど……そんなことしたって、優ちゃんのことが、少しでも頭から離れたことなんかない。


ごめんね、葉由。


葉由のこと、好きだけど……。
本当にごめん……。



優ちゃん以上には、きっと好きにはなれない。




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