【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。



     ◆


大賀君の告白に、目の前が真っ暗になった。




私の目からぽろっと涙が零れ落ちた。



大賀君の苦しさがわかるから?
大賀君に大切な人がいたから?


どの涙なのかわからない。


大賀君がずっと寂しそうで悲しそうだったのは……全部そういう事だったんだ。



目の前で目を伏せる彼は、今だって泣きそうだ。



「俺が作る曲は……全部優ちゃんに宛てたものなんだ……」


暖かくて優しいメロディが、寂しさと悲しさに包まれた彼の歌声で、蘇る。




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