【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「ごめん、葉由……簡単に付き合ったりして」


私にそんな顔しないで。
もっとつらくなるよ。


大賀君の悲しみを、これ以上増やしたくなんかない。


「俺、こんだけ人のこと傷つけてきて……。まじで……。生きてたってしょうがない」


大賀君の溜息が消える。涙も色もない目が、私を見つめている。


……そんな目をしないで。


私は涙を散々拭って、息を吸った。


「前に話したけど……私もね、付き合ってた幼馴染を事故に遭わせたから……後悔は今だってしてる」


……だから。

絶対にたどり着いてしまう気持ちが、私にはわかってしまうんだよ。


「大賀君……。自分が代わりになればよかったのにって……絶対に思わないで」


ぼろぼろと涙がこぼれおちていく。


はぁっと途切れる息を吸う。


懇願するみたいに、小さく叫んだ。



「死にたいなんて、考えないで。絶対に死なないで……。生きるしかないんだよ……っ」


涙が溢れて、大賀君がよくみえない。


手の甲で乱暴に涙を拭って、嗚咽に身を震わせる。



こんな気持ちを、彼とだけは、共感したくなかった。

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