【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
前に進みたい。みんなと同じがいい。普通になりたい。
そう、絶対におもっているのに、


そうなるのは、簡単じゃない。


『1時間だけ、学校に来てみない?』


電話越しの担任の声にさえ、私は頷けない。



……もう死んでしまいたい。


そう思った時、勝手に涙が溢れた。


死んじゃいけないことなんか、わかっている。
だって蓮は……生きたかったのに。



途方もないループが、私を縛り付ける。

逃げ場ってどこ?
生きるって、こんなに辛いことの連続なの……?



目を閉じて―――、堕ちていく。



【ねぇ、起きてよ
君に言いたいことがあるんだ
またいつもみたいに
寝たフリですか?……】



そんな時にかぎって、優しい歌声が頭の中を巡っていく。


涙で濡れた液晶を拭い、YOUTUBEで見つけたカムの曲を再生。


その声で……息を継ぐ。



< 12 / 206 >

この作品をシェア

pagetop