【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「大賀の問題って、どういうこと?」


「俺が全部悪いの。葉由は被害者。だから責めるとするなら筋違い。俺のほうにして」


……そんな言葉聞きたくないよ。


私は大賀君の服を少し掴んで、彼を見上げた。


目を合わせて、しっかりと伝えたい。


「私は被害者なんかじゃないよ。大賀君は何も悪くない。そんなふうに責めないで」


「……でも」


言葉に詰まる大賀君から、手をそっと離した。


もう、傷だらけの彼をそっとしてあげてほしい。


私は四人に向き直す。


「大賀君の人生は大賀君のものだから、口を出せる人がいるとすれば、彼だけだよ」


指先が冷たい。声だって震えている。



彼女たちは何を返すでもなく、私から離れていった。


……怖かった。今も怖い。


だけど、後悔が全然ない。



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