【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
……大賀君は一人じゃないじゃん。


優ちゃんの話を誰にもしていなくても、カムの三人が、ずっと傍で彼を支えているんだ。

三人がいたから大賀君は、私みたいにならなかったんだろう。



自惚れたなぁ……。私にできることがあったら言って、なんて。そんなこと言っちゃって。


だけど……。よかった。本当に。


彼とすれ違う数秒前。


「大賀君、ばいばい」と私は自然に言えたと思う。


「また明日」


大賀君の声は、やっぱり特別だ。


たった五文字でここまで心臓を速める人は、もう一生……現れないと思う。



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