【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
音楽室の片隅。バイオリンを出して、三人で輪を作る。
「やっぱ音程とれないよー。葉由すごくない?葉由のバイオリンが特別いいやつなの?」
「こういう感覚的なのはセンスだよねぇ。無いなりに頑張ろうよ、西田っち!」
「無いとか言うな」
栞ちゃんに励まされて、弓を構える西田さんは、怖くなるくらい、いつも通りだ。
どうしてそんなに、平気そうにしていられるんだろう。
私はそっと、バイオリンをケースの中に置いた。
「葉由どうした?飽きた?」
そんなに明るく頑張ることが、正解なのかな。
私には、そういうの、わからないけど……。
「西田さん。我慢しなくていいよ。私……話なら聞けるし、できることはするよ」
真剣な顔でそう言うと、「普通にそういうの言われたら、なにこいつ無神経ってあたしは思うんだけど」
……やばい、間違えた。と思った瞬間。
「葉由に言われると……そう思えない。不思議」と言って、西田さんは笑った。
「やっぱ音程とれないよー。葉由すごくない?葉由のバイオリンが特別いいやつなの?」
「こういう感覚的なのはセンスだよねぇ。無いなりに頑張ろうよ、西田っち!」
「無いとか言うな」
栞ちゃんに励まされて、弓を構える西田さんは、怖くなるくらい、いつも通りだ。
どうしてそんなに、平気そうにしていられるんだろう。
私はそっと、バイオリンをケースの中に置いた。
「葉由どうした?飽きた?」
そんなに明るく頑張ることが、正解なのかな。
私には、そういうの、わからないけど……。
「西田さん。我慢しなくていいよ。私……話なら聞けるし、できることはするよ」
真剣な顔でそう言うと、「普通にそういうの言われたら、なにこいつ無神経ってあたしは思うんだけど」
……やばい、間違えた。と思った瞬間。
「葉由に言われると……そう思えない。不思議」と言って、西田さんは笑った。