【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「中学の時から、こういうのはずっとなの」

「仲間はずれが?」

「そうそう。でもあたしだけじゃないよ?イツメンの中でね、代わりばんこにハブにされるの。ムカつくことに、里穂だけは絶対仲間外れにされないけど」


ははっと笑う西田さんの強がりが、胸をえぐってくる。


「あたしが選択授業、ひとりだけ音楽なのも、選択するときにハミられてたからだよ」

「なにそれ……」


その関係性が理解できなくて、言葉を失っていると。


「わかるわかる」と栞ちゃんが目を伏せて言った。


「私も小学生の時、よくあったよ。仲良いグループで順番に仲間外れにされるんだよね。大した理由もないのにさ。それでいて、ある日突然普通に話しかけてきて、ぱっと仲間外れが終わるんだよね」


「そうそう。突然ね。でもそれが嬉しくて、つい尻尾振って戻っちゃう」


西田さんは悔しそうに表情を曇らせた。




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