【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
あれから一週間。
西田さんはまだ、グループに戻っていない。
かといって、私たちのところに自分から来ることはしない。ほとんど栞ちゃんが強制的に西田さんを連れ出しているのが現状だ。
西田さんのグループの女子は、楽しそうに明日のお祭りについて、わざとらしいほど大きな声で相談を練っている。
嫌な感じ……。
「試験も終わったし、明日のお祭り三人で行かない?」
栞ちゃんの明るい提案に、私もすぐに乗っかった。
「私、お祭り行ってみたい。四年ぶりくらいだから」
「それ、葉由いかなすぎ」
西田さんがプッと吹き出した。
「だって不登校だったし」
「学校行かなくていいから祭りは行きなよ」
「だって、行く相手いなかったもん。ずっとひきこもってたから」
「あはは、葉由の自虐やばい!つっこみにくいやつ!」
お腹を抱えて笑う西田さん。
きっとそこまで面白いわけじゃないけど、グループに見せつけているのかな。
そういう強がりは、ある気がする。
だけど私は、西田さんが元気になるなら、自虐でもなんでもするよ。
「西田さん、お祭り、絶対行こう」
うん、と嬉しそうに頷いてくれた西田さんは、第一印象と全然違う。