【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
きつくて怖そうな、絶対に関わることのないヒエラルキーの頂点みたいに感じていたのに。


……違った。


普通の、女子高生だ。


なんとなく見渡した教室は、普通の高校生でいっぱいだ。


不登校だった私が、もとめていた姿。



そもそも普通ってなんなんだろう。


人と違うから、私は普通じゃないって、ずっと思っていたけど。


人との違いって、差なのかな。


差じゃなくて……もしかしたら色なのかもしれない。


どの色も違いがあって、だけど良し悪しも序列もない。


人との違いが色なら……。


あの時の私は……色が、違っただけ。


ここにいるみんなも、同じく。



そう気づいて、もう一度見た教室。


違う色をもっと認めあえたら……ほんの少しくらい暖かくなるのかな。



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