【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「かっこいいね」

西田さんが急に耳元でそう言うから。


「わっ」とバランスを崩して、床に転んだ。


「なにやってんの葉由!」


西田さんは笑いながら私の手を引いた。


「……いた」

「え?」

「くじいた……」

「え?まじ?ごめん!」

「どんくさいね」


笑いがこみ上げてくる私につられて、西田さんも笑いながら、私の腕を肩に担ぐ。


「保健室いってくるねー!」と叫んだ西田さんに、女子のメンバーから「はいはーい」と軽く返事が返って来る。



その中に、元西田さんの仲良しグループの子もいたけど、お互いに無視しているらしい。


西田さんたちがそうするって決めたなら、それでいいと思う。


傷つけ合うくらいなら、関わらない方がいいって思う気持ちもないわけではないから。



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