【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
どうせかなわない恋なら。

ポンと背中を押すキューピットにでもなりたい。

だって、大賀君のことが大好きだから。



「そうそう、7月にライブするんだよ。Candy Rainで」

「うん、西田さんに聞いた。行きたいなって三人で話してて……」

「来てよ。入場料タダだしね」

「タダなんだ?あ、たしかに。中三のとき、お金払わなかった気がする」


「学園の理事長のコネで使ってる建物だから、使用料タダなんだよ。だから俺らも金とってない」


「そうなんだね。あれってほかには、誰が演奏してるの?」


「近隣の中高生のバンドだね。申請してきたグループだから、今回は知り合い半分くらい」


「へぇ……なんか、やっぱりすごいや」


ほとんどバンドとカムの話で二時間を過ごしてしまった。


あっという間。もう自宅の最寄り駅だ。


「駅から一〇分位かかるから、ここで大丈夫」


「最後一〇分くらいなら送らせてよ」


「えぇ……。ほんとにごめんね」


「そういう時は、ありがとうでいい」


「ありがとう」


「ははっ。うん」



< 157 / 206 >

この作品をシェア

pagetop