【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
【俺とあいつは、最悪の仲だった
あいつが英雄なら、俺はいつも悪役で。
これでもダークホース狙っていたんだよ?
こんなのってないだろ。】


大賀君の呟くような、悲しい歌声。

でも、悲しいだけじゃない。
今までよりもっと何かを伝えたいみたいな、言葉の強さ。


その声が、もっと聴きたいのに。
頭が痛い、くらくらする。


【二人のデットヒート
そこで俺たちは君だけを見ていた
ゴールの間際
いなくなるって
それは、絶対に卑怯だろ?】


キィンと走る耳鳴りが邪魔をする。


歌詞を理解しながら聴いているつもりなのに。
聴こえない……頭がいたい。



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