【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
四人の音楽が盛り上がっていく。


【ベガ デネブ アルタイル
織姫と彦星が
君とあいつなら
俺は
残念な デネブだね
君が忘れてしまっても 仕方ないか】



胸に突き刺すような強烈な何か。


得体の知れないこの感覚に、耳鳴りが収まった。やっと声が鮮明になる。


でも今度は頭は割れそうに痛い。
……痛い。


両手で頭を抱え込む。



【できるなら君と一緒に
苦しみたかった
君を傍で支えたかった】



私の目から涙が落ちる。

間奏を全身で奏でるカムのみんなが、涙を堪えているのが見えるから。




大賀君は泣いていない。
……もう悲しそうにも、していない。





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