【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
君との後悔
俺のせいで葉由が倒れた。
あれほど言われていたのに。
「もう葉由に会わないでくれ」って。
あの日、蓮が運ばれた病院のベッドで、葉由が寝ている。
救急車で搬送されてから、そう時間をかけず、一度目を覚ました葉由は、俺に言った。
「はーくん……ごめんね」
「思い出したの?」
頷きながら、葉由は、また瞼を閉じた。
あれから四時間が経つ。
呼び起こしてしまったんだから、もうどうなるかわからない。
葉由の両親は、まだ俺を責めていない。
ただそこで、静かに葉由を見ている。
「千颯君。そろそろ帰った方がいいんじゃないか?」
葉由のお父さんに向けられた視線はかなり厳しいものだ。
「……はい。すみませんでした……」
深く頭を下げて、病室を出た。
一階のロビー。長椅子に、ひとり座り込む。
蓮と葉由と、俺。幼馴染三人で過ごした日々が、頭の中を駆け巡っていく。