【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
大賀君の噂は2つある。
【その1、 大賀君は、彼女が途切れない。】
女をとっかえひっかえする、という言い方をされているときもある。
別れたらすぐにまた別の人と付き合う。いわゆる恋愛依存症のようなところがあるんじゃないかって、そういう話。
そんなことは構わず、大賀君は爆発的にモテる。学校のアイドルみたいな存在だから、当たり前といえば当たり前。
大賀君が別れたという噂が流れるや否や、彼女の座を狙う女子で学校内が騒然とする。
そして最終的に大賀君は、自分に自信のありそうな美人と付き合ってきた。
だけどここからも、問題で。
【その2、彼女になれても、大賀君は”本気”にならない。】
大事にしているように見えて、本当に好きになってはくれないらしい。
結局そういうのは、大賀君のことが大好きな彼女に、伝わってしまう。
だから彼女の方が耐えられなくて、おしまい。
そういうことを中学生の頃から繰り返しているそうだ。
魔性、たらし、遊び人。
女泣かせの冷酷プレイボーイなんていうのも、あった気がする。
大賀君の戯称は星の数ほどある。
高一のときはそんな彼のアンチも、もっと多かった。
でも文化祭のライブの後、大賀君たちの株は一気にあがり、空前のカムブームを巻き起こしてしまった。
そのまま、大賀君は。ぶっちぎりの人気絶頂だ。