【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
そんな中学生活はあっという間に過ぎて、高校に入学する前の春休み。


一通の手紙を母を介して受け取った。


“春から葉由が、星津学園に入学する。”


そういう内容に、ドキドキと心臓が鳴った。差出人は、葉由のお母さん。


“くれぐれも無理やり思い出させないでください。他人のふりをしてください。葉由のために、どうかよろしくお願いします”


おばさん、なんでこんなに他人行儀なの。


本当に……もう他人だから?


ぎゅっと封筒を握りしめる。






……だけど俺は、板についた悪者だね。

葉由に告白されて……断るなんて、ありえなかった。



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