【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「……めちゃくちゃだよな。蓮がいない人生ってさ?」


何の前触れもなく……蓮が消えてしまった世界。


「……うん、めちゃくちゃだよ……」



蓮を思い出せば、辛くて苦しくて、悲しみは消えない。


蓮がいないことが普通になっていく日々。そのことにふと気づくと、救いようがないほど悲しくなる。


「でも俺たちは、生きるしか……ないんだよな?」


はーくんは、私が前に言った言葉を、涙でびしょ濡れの顔で言う。


「そう……っ、生きるしかない……」


震える声と二人の嗚咽が、いつまでも病室に響いていた。



……どれくらい泣いたんだろう。

頭がぼうっとする。


「俺もね……。引っ越す前の送別会の日に、蓮から手紙もらってたんだ。隣のクラスのくせにさ。あいつ、わざわざ渡しにきてくれて……」



はーくんが鞄の奥から封筒を大切そうに取り出して、四つ折りにされた紙をそっとこちらに渡した。



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