【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「このへんのやつ、いくつか買おうかな」
「たくさんいるの?」
「んー、まぁ、せっかく来たしね」
「そうなんだ」
「俺、葉由のえらんだやつがいい」
大賀君は、ちらっとこちらに目をやる。
愛嬌が駄々洩れの笑み。それは、気軽にやったらいけない。ズルい。
「えっと、そしたら……何色がすき?」
「赤と黒かなぁー」
ピックに神経を集中させようと必死な私に、大賀君の視線が意地悪く這っている。
「……っ」
「本当にすぐ赤くなるんだね」
上気した頬をツーっと伝う人差し指。
そのまま私の頬に手を添えた大賀君。
その顔は、やっぱり楽しそうで意地が悪い。
震える瞳は、彼にはバレバレだ。
頬を覆うその手から離れるように、顔をそむけた。
そんな私を、大賀君は笑う。
「……なんか新鮮」
「新鮮って……」
呆れまじりの照れ隠し、みたいな。そういう不器用丸出しの表情で 「……大賀君、楽しそうだね」となるべく平気そうに返す。
私をからかうのがすごく楽しそうな彼は答えた。
「うん、楽しい。葉由は楽しくない?」
「楽しい……っていうより……」
黒と赤のピックをいくつか手に取り、じっと眺めているふりをする。
ピック選びに集中なんて、全然、まるでできない。そんな私を大賀君は、まだ見ている。
「楽しいって、いうより。ドキドキするよ……」
その視線に降参する。
「たくさんいるの?」
「んー、まぁ、せっかく来たしね」
「そうなんだ」
「俺、葉由のえらんだやつがいい」
大賀君は、ちらっとこちらに目をやる。
愛嬌が駄々洩れの笑み。それは、気軽にやったらいけない。ズルい。
「えっと、そしたら……何色がすき?」
「赤と黒かなぁー」
ピックに神経を集中させようと必死な私に、大賀君の視線が意地悪く這っている。
「……っ」
「本当にすぐ赤くなるんだね」
上気した頬をツーっと伝う人差し指。
そのまま私の頬に手を添えた大賀君。
その顔は、やっぱり楽しそうで意地が悪い。
震える瞳は、彼にはバレバレだ。
頬を覆うその手から離れるように、顔をそむけた。
そんな私を、大賀君は笑う。
「……なんか新鮮」
「新鮮って……」
呆れまじりの照れ隠し、みたいな。そういう不器用丸出しの表情で 「……大賀君、楽しそうだね」となるべく平気そうに返す。
私をからかうのがすごく楽しそうな彼は答えた。
「うん、楽しい。葉由は楽しくない?」
「楽しい……っていうより……」
黒と赤のピックをいくつか手に取り、じっと眺めているふりをする。
ピック選びに集中なんて、全然、まるでできない。そんな私を大賀君は、まだ見ている。
「楽しいって、いうより。ドキドキするよ……」
その視線に降参する。