【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
そんなことを考えていたら「ピアノ弾くの?」と聞いたことのない声がした。
顔をあげると、やっぱり知らない人……。
「いえ、そういうわけじゃ……」
「そうなんだ!その制服って星津学園のだよね?」
「あぁ……はい」
「へぇー。俺、深沢高校の1年。君何年生?」
「えっと……」
「そんな困った顔しないでよ!ねぇよかったらさ、LINE教えてよ」
「はい、スト―ップ」
わ。と声が出た。
後ろから伸びてきた両腕に、抱きしめられたかと思えば、そのまま一歩後ろへと引っ張られてしまう。
私の背中がトン、とかたい胸板に当たる。
「……回収ー」
その声と雰囲気は、大賀君以外ありえない。
ドキドキと心臓は暴れている。鼻先をかすめる、いい匂いさえ、いまは危うい。
かぁっと熱くなった私の頬を、きっと目の前の知らない男子も……見ている。
「……離して、はずかしいよ」
「そんな小さい声、俺には聞こえない」
すぐ後ろから、体を伝って来るその声は、悪戯っぽさ全開。
「俺の彼女なんだけど」
挑発的。にこやかに言っている。そんな声だ。
バツの悪そうな顔をして去っていく男子の後ろ姿に「バァカ」って言ってのけた、大賀君。
顔をあげると、やっぱり知らない人……。
「いえ、そういうわけじゃ……」
「そうなんだ!その制服って星津学園のだよね?」
「あぁ……はい」
「へぇー。俺、深沢高校の1年。君何年生?」
「えっと……」
「そんな困った顔しないでよ!ねぇよかったらさ、LINE教えてよ」
「はい、スト―ップ」
わ。と声が出た。
後ろから伸びてきた両腕に、抱きしめられたかと思えば、そのまま一歩後ろへと引っ張られてしまう。
私の背中がトン、とかたい胸板に当たる。
「……回収ー」
その声と雰囲気は、大賀君以外ありえない。
ドキドキと心臓は暴れている。鼻先をかすめる、いい匂いさえ、いまは危うい。
かぁっと熱くなった私の頬を、きっと目の前の知らない男子も……見ている。
「……離して、はずかしいよ」
「そんな小さい声、俺には聞こえない」
すぐ後ろから、体を伝って来るその声は、悪戯っぽさ全開。
「俺の彼女なんだけど」
挑発的。にこやかに言っている。そんな声だ。
バツの悪そうな顔をして去っていく男子の後ろ姿に「バァカ」って言ってのけた、大賀君。