【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
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まだ五月だっていうのに、どうしてこんなに暑いんだろう。
朝から、夏みたいに太陽が照りつけている。
木陰に入って歩くと、さやさやと葉を揺らす音がして、見上げた緑にいっときの涼を感じられた。けど、私の通学時間は二時間だ。いっときでは、足りない。
ようやく着いた校舎はまだ人がまばらだった。
汗ばんだ体。顔をパタパタと手であおぐ。
熱い空気を吐き出して、いつもゴールにしている昇降口をみた。
その瞬間、どきんっと胸が大きく鳴って、それが続く。
大賀君と、バンドメンバーの三人が、昇降口の手前にある階段に座っているのが見えたから。
COMETOGETHER、通称カムの四人だ。
日陰の中にいる彼らは、直射日光を浴びている私よりもずっとまぶしい。