【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
正門を抜けた私は、彼らのいる昇降口へと続く道を、そわそわしながら歩いていく。
その間も、彼らの声は校舎に反響してここまでよく聞こえてしまう。
「いや、だからさ?俺マリちゃんに言ったわけ!それ浮気したって言わない?って」
ドラム担当の内海君が、大袈裟なほど身振りをつけて、興奮気味に声をあげる。
中性的な顔立ちの内海くんは、人懐っこいらしく、人気も高い。
金髪なのに毛先だけピンクがかっていて、それがまた、彼っぽさを引き出している気がする。
「内海重すぎー」と、ベース担当の笠間くんが簡単に言葉を返す。
いかにも“軽い男子高校生風”にセットした黒い前髪を指先でいじりながら。
「はぁ?だって二人で勉強したらそれはもう、デートだろ?」
「そもそもデートって……浮気なの?」
「あ、いい。大賀はこの話入んないでくれて、大丈夫。お前の価値観は尋常じゃないから!」
内海くんは手のひらを開いて、大賀君に向けた。
「ひど」と言いながらクスクスと笑う大賀くんは、手元のスマホをずっと操作している自由人。
「そういえば大賀の今回の彼女って誰?」
今っぽいマッシュヘアが特徴的な、ギター担当の栗原くんの落ち着いた声が、話を割って入る。
その間も、彼らの声は校舎に反響してここまでよく聞こえてしまう。
「いや、だからさ?俺マリちゃんに言ったわけ!それ浮気したって言わない?って」
ドラム担当の内海君が、大袈裟なほど身振りをつけて、興奮気味に声をあげる。
中性的な顔立ちの内海くんは、人懐っこいらしく、人気も高い。
金髪なのに毛先だけピンクがかっていて、それがまた、彼っぽさを引き出している気がする。
「内海重すぎー」と、ベース担当の笠間くんが簡単に言葉を返す。
いかにも“軽い男子高校生風”にセットした黒い前髪を指先でいじりながら。
「はぁ?だって二人で勉強したらそれはもう、デートだろ?」
「そもそもデートって……浮気なの?」
「あ、いい。大賀はこの話入んないでくれて、大丈夫。お前の価値観は尋常じゃないから!」
内海くんは手のひらを開いて、大賀君に向けた。
「ひど」と言いながらクスクスと笑う大賀くんは、手元のスマホをずっと操作している自由人。
「そういえば大賀の今回の彼女って誰?」
今っぽいマッシュヘアが特徴的な、ギター担当の栗原くんの落ち着いた声が、話を割って入る。