【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。

バンドの名前







中庭のベンチに座り、お弁当を開く栞ちゃんの隣でパンの包装を破った。


晴れ渡った青空の下。
あーそういえば、なんて思い付きで世間話をする今っていうのは、かなり恵まれている。幸せなことだ。


「カムのみんなが仲直りしてよかったよね」


そう栞ちゃんに言うと、「学年の問題児の寄せ集めなのに、意外とあっさりだったね」と彼女は嬉しそうに答えた。


「最近葉由ってカムとよく喋ってるよね?」

「うーん……、どうかな?会えば……」

「やっぱみんなチャラい?」


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