【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「葉由で満たされてるのかなぁって話してたんだけどさぁ」


ニヤっとする西田さんが私の耳元に手を当てた。

栗原君のギターの音に混ざって、聞こえてくるささやき声。


「大賀と毎日くらいでヤってんの?」


その言葉に目を丸くする私。


意味を理解して、そのまま赤面してしまう。


……そ、そんなわけがない。


思いっきり首を横に振る私を、西田さんは「えー?またまたぁ」と、楽しそうに茶化す。


「だってそんな、したことないよ。キスだってないよ」


「うっそでしょ!?」


西田さんの大声に、ギターの音が止まった。


「あ、ごめんごめん」と西田さんが片手をあげて謝ると、栗原くんのギターが再開する。


そうこうしてるうちに聴こえてきた、ベース重低音と、ドラムの軽快なリズム。


そうなると私たち会話は、ささやき声どころか、声を張って話すほどのボリュームになっている。



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