【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「大賀って今まで、彼女になった日くらいには抱いてたよ!?これも生の情報。そんな雰囲気になったでしょ?」


「まさか……。私は、全然……あ、でも」


「なになに!?そんなに顔赤らめちゃって!!」


私の言葉を期待している西田さんに、コノコノと肘でつつかれる。



「えっと。手は、いっぱい繋いでる……」



大賀君の手のひらの感覚を、思い出すだけで、口元が綻ぶ。



「……葉由……ピュアか!!小学生か!!」


バシン。背中を叩かれた。
西田さんは「痛……」と笑う私を、笑う。


「何の話?てか、意外と仲いいね」


後ろから大賀君の声がして、変な汗がでる。


「お、大賀君……いつから聞いてた?」


「えーなに?聞いちゃいけない話でもしてたの?」



私が西田さんに目をやると、西田さんは「大賀に聞きたいことあんの!」と、大賀君の腕をむんずと掴んで、前のめりになって歩き始める。行く先は廊下。


「葉由もおいで!」と言われて、慌てて二人の後を追いかけた。



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