【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
「大賀って、女の子遊びやめたの?」


開口一番。面と向かって聞く。
しかも、一応彼女な私の前で。

西田さん、おそるべし。



そんな彼女に大賀君はふわっと答える。


「あー。そうだね。なんか飽きたっていうか……」


こちらに視線を動かした大賀君は、たいして表情を変えることなく、「葉由だけでいいかなぁ、みたいな」と言ってのける。


「……ちょ、やば!」


西田さんが私の背中をばしばしと叩く最中も、私は、相当真っ赤な顔をしていたと思う。


両手で覆い隠したくなるほど、熱くてしかたない。


目の下を全部、手のひらで隠す。

すると、大賀君はへらっと笑った。


「葉由が俺のこと大好きだからね。大事にしないとね」


そのいたずらっぽい顔。
心臓をぎゅっと掴まれる。



< 84 / 206 >

この作品をシェア

pagetop