【完】一生分の好きを、君に捧ぐ。
真っ赤で、情けない顔をしたまま、「大賀君のこと、大好きでよかった……」と声が出てしまった。
「そんなに好き?」
しがらみも、過去も、私の中の私だって、そうなっては駄目だと警告しているのに。
だけど、それを越えてしまうくらい。
もう押さえられないほど、大好きだよ。
……そうなっていいわけがないのに。
ぐっと切ない気持ちを抱えたまま、大賀君を見上げる。
「……そんなに好きに、なっちゃったよ」
「……っ」
私は、目を見開いた。
大賀君の顔が、みるみるうちに真っ赤に染まっていったから。
「……あーもう。見んな!」
くしゃくしゃっと私の頭を雑に混ぜて、その背中は音楽室へ入ってしまった。
「ちょっと……ちょっとぉー!葉由たちやばぁい」
西田さんは満面のにやけ顔で私を小突いている。
「あんな大賀初めて見た!きゅんとした!」
「ちょ、内海くんそこにいるんだから」
「聞こえない聞こえない。うわーそっか。大賀、まじのまじで本気なんじゃない?」
「ど、どうだろう……。いつもからかわれてる感じなんだけど」
「それがまず今までにはなかったなぁ。今までって、ベッタベタする割にかなり冷めてて。楽しく会話してんのによく見たら無表情とかザラだったよ」
しばらく廊下で話していたら、音楽室のドアが開いて、ドラムとギターの音が流れ出てきた。
「そんなに好き?」
しがらみも、過去も、私の中の私だって、そうなっては駄目だと警告しているのに。
だけど、それを越えてしまうくらい。
もう押さえられないほど、大好きだよ。
……そうなっていいわけがないのに。
ぐっと切ない気持ちを抱えたまま、大賀君を見上げる。
「……そんなに好きに、なっちゃったよ」
「……っ」
私は、目を見開いた。
大賀君の顔が、みるみるうちに真っ赤に染まっていったから。
「……あーもう。見んな!」
くしゃくしゃっと私の頭を雑に混ぜて、その背中は音楽室へ入ってしまった。
「ちょっと……ちょっとぉー!葉由たちやばぁい」
西田さんは満面のにやけ顔で私を小突いている。
「あんな大賀初めて見た!きゅんとした!」
「ちょ、内海くんそこにいるんだから」
「聞こえない聞こえない。うわーそっか。大賀、まじのまじで本気なんじゃない?」
「ど、どうだろう……。いつもからかわれてる感じなんだけど」
「それがまず今までにはなかったなぁ。今までって、ベッタベタする割にかなり冷めてて。楽しく会話してんのによく見たら無表情とかザラだったよ」
しばらく廊下で話していたら、音楽室のドアが開いて、ドラムとギターの音が流れ出てきた。