嘘と秘密と交換日記
足元に、ぼたぼたと真珠みたいに涙が落ちていく。
海の中に、水たまりができたみたいに。
泣きじゃくる眞田は、溺れているように思えた。
『助けたい』
海の底で、
ジンベエザメの横で、
サンゴに囲まれて、
俺は、もう一度、深く息を吸う。
全て、吐き出すために。
悲しみに沈む眞田を助けるために。
伝えよう。
人間はスゴいってことも、
やればできるってことも、
言葉にならない想いも、
名前のない気持ちも、
表しきれない感情も、
全部が全部、届ける。
眞田の
やりきれなさも
悲しさも
痛みも
さびしさも
苦しさも
申し訳なさも
孤独も
ひとつ残らず、すくいあげる。
息を、思いを、
意志を、想いを、
全て、全て吐き出す。
眞田をぎゅっと抱きしめた。
「好きだ。 一緒にいてくれ」