嘘と秘密と交換日記
泣き終わっても、
どちらも離れようとはしなかった。
海の底で、身を寄せ合う小さな魚のように。
この世界には悲しいことが多すぎる。
でも、2人なら堪えられる。
そう、思えた。
「あの、ですね……」
もぞもぞと眞田が話す。
「ん?」
「……今さらなんだけど。 私、日々君のこと、前から気になってたの、です」
「……ありがとう」
腕の中にぬくもりを感じながら、考える。
一番おもしろいネタバラシが、何だったのかは分からないけど、
いつか、
いつか、
死後の世界があるとして、
そこで水瀬に会えるとして、
その時は、こう伝えよう。
『これも、悪くなかったぞ。ありがとう』って
あいつは、どんな顔するだろうか。
ーーーーーーーーーーーー了。