LONELY MOON ―ロンリームーン―
 



「…だりぃ」



俺はそのままソファへと倒れこんだ。

かなり久々に、あの勉強の空気を吸ったからか?

異様に身体がだるい。



「いい刺激になった?」



くすくすと美佐子は笑う。

…いいかは分からねェが、刺激はあった。かなり。

重い身体をソファに預け、そのまま瞼を閉じる。



すると、パソコンの作業を終わったのか、背伸びをしながら回転椅子を回して美佐子は俺の方へと向いた。



「ねーえ、魁って恋なんてしたことあるの?」


「…は」



その美佐子の言葉に瞼が開いた。

むくりと重い身体を起こすと、案の定美佐子はにやりと笑っていた。



「…ナメてんのか」


「あら、それじゃあ?」


「餓鬼じゃねーんだ、んなモンの1つや2つ…

先週なんか6人の女と寝た。」


「……馬鹿ねぇ、違うわよ」



美佐子は呆れたように1つため息をついた。

コーヒーを啜り、俺に少し真面目な目つきで言った。



「身体じゃなくて。心が恋したことはあるの?」


「…はぁ?何言ってんだお前」


「まだまだ魁もお子ちゃまね~」



またいつものババアのノリに戻り、ケラケラ笑いながらコーヒーをまた啜った。

恋?

美佐子は変な奴だとは知ってたが、急にまた何を言いやがる…。



「…ま、頑張りなさい♪」


「…何をだよ」



そんな美佐子に呆れて、俺はソファに横になった。




 
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