LONELY MOON ―ロンリームーン―
「あら、二人仲良く保健室に通勤?」
「…うっせ」
ソファへ座ると、隣にあいつもちょこんと座った。
「魁はともかく、陽那ちゃんはどうしたの?」
「…え?」
美佐子からの質問に、一瞬動きが止まった。
…確かに、いつもサボりに来る俺はともかく、具合が悪そうなワケでもなく保健室に来たこいつ。
どう言い訳するかと思えば
「…えへっ、私もサボりに来ちゃいましたっ♪」
…はァ?
何言ってんだ、こいつ?
そう思う俺とは違って、美佐子は
「あらァ、そう♪」
にこりと笑って、またパソコンへと向かった。
…いや、仮にも教員なんだからそれはねぇだろ?
俺は顔をしかめながら、とりあえずソファに腰を下ろした。
すると、こいつはいつものようにベッドの方に行くんじゃなく、俺の隣にちょこん、と座った。
―――…………、
保健室に響くのは、美佐子のキーボードを打つ音と、時計の針が進む音だけ。
――カタカタ…
…チッチッチ――
本当はソファに横になろうと思ったが、こいつが隣に来たから当然なれるはずもなく、
この座った状態のまま必死に眠ろうとするが
…眠れねェ